古都バラナシには歴史と文化を感じる見どころが盛りだくさん。ガンジス川のほとりで暮らす人々の日常を垣間見ることができます。
バラナシと言えばガンジス川
バラナシに来たら絶対に外せないのはガンジス川の周辺散策です。
川辺のガート見学
ガートとは、川辺に作られた階段状になった広場、増水に対応できるよう高低差をつけた堤(つつみ)のこと。バラナシを通るガンジス川のほとりには80以上のガートがあり、それぞれ特徴を持っています。滞在先の宿から川に着いたら、南から北へ、あるいは北から南へ散歩して、いろいろなガートを見ていきましょう。日の出から夕暮れまで違った表情をみせるガンジス川の姿を、気に入ったガートに腰掛けて静かに眺めてみてはいかがでしょうか。
以下、人気のガートをいくつかピックアップしてみました。
1. ダシャーシュワメード・ガート
バラナシで最も有名なガートで、ヒンドゥー教徒にとって最も神聖な場所の一つです。毎日数千人の巡礼者がここで沐浴を行い、罪を洗い流すと信じられています。毎日、朝夕2回ずつ「ガンガー・アールティー」という大規模な祈りの儀式が行われ、炎と音楽が織りなす神秘的な光景が広がります。バラナシを訪れたなら必見です。
観光客向けのボートクルーズも人気があり、朝焼けのガンジス川を眺めながら、バラナシの神秘的な雰囲気を体験できます。
2. マニカルニカー・ガート
ヒンドゥー教徒の火葬場として有名なガートで、ここで火葬された人は輪廻から解脱すると信じられています。24時間火が絶えることのない荘厳な場所であり、インドの死生観を垣間見ることができます。観光客も訪れることができますが、写真撮影は禁止されています。
3. アッシー・ガート
バラナシの最南端に位置し、比較的静かで落ち着いた雰囲気のガートです。特にヨガや瞑想をする人々に人気があり、朝の時間帯にはヨガのクラスが開かれています。また、ヒンドゥー教の神話によると、シヴァ神がここで武器を投げ捨てたことに由来する聖地とされています。
4. シンンディア・ガート
美しい建築物が特徴のガートで、水没した寺院が見どころです。この寺院は18世紀に建設されましたが、地盤沈下によって水中に沈んでしまいました。観光客にとっては、ガンジス川と歴史的な建造物が融合する神秘的な景観を楽しめる場所です。
5. パンチャガンガー・ガート
「五つの河の合流点」とされるガートで、特に宗教的な重要性が高い場所です。ヒンドゥー教の伝統では、ここは五つの聖なる川が交わる地点とされています。多くの巡礼者がここで沐浴を行い、精神的な浄化を求めます。
ガンジス川ボートクルーズ
ガンジス川では、ボートに乗ってガートを川側から眺めることができます。昼間の明るい時間帯も、朝の静かな空気のなかも、それぞれ違った表情の街並みを楽しめます。特に、朝日を浴びて輝くガンジス川は、まさに「聖なる母」。1回のクルーズの時間は40分ほど。
写真に夢中で川に落ちないよう、またスマホを川に落とさないよう気をつけて。
ガンジス川で沐浴体験
ガンジス川と聞けば、沐浴の姿を想像する人も多いのではないでしょうか。調べたなら、汚い!危ない!病気になる!?と不穏な情報をネットで見かけたことがあると思います。本当はどうなんだ?と興味を持つ方もいらっしゃるでしょう。
沐浴は、旅人でもできます。水着(濡れても良い服)を着て、タオルを用意し、沐浴後に体を洗う水をペットボトルに入れて持参します。
おすすめは朝、日の出の時間。
沐浴はバラナシを体感する最高のアクティビティの一つです。(場所や時期によって水の状態が違うため一概に大丈夫とは言えません。私は頭まで浸かっても問題ありませんでしたが、調子を崩したという話も聞きます。ご不安ならお控えください)
個人的に、確かにガートによっては「水が濁ってて汚いな〜」と感じました。でも、ボートで渡った対岸は比較的マシです。
沐浴をとおして土地と繋がり、神聖な気持ちになれました。
バラナシの観光地
近隣のヒンドゥー寺院
1. シュリー・カシー・ヴィシュワナート寺院
ヒンドゥー教の最高神であるシヴァ神を祀る最も重要な寺院の一つ。金箔が施された壮麗な塔が特徴で、毎日多くの巡礼者が訪れます。セキュリティが厳しく、カメラや電子機器の持ち込みは禁止されています。
2. サンカト・モーチャン寺院
ハヌマーン神を祀る寺院で、猿が多く生息していることでも有名。参拝時には食べ物を持っていると猿に奪われる可能性があるため注意が必要です。
3. ドゥルガー寺院(赤い寺院)
赤い外壁が特徴的な女神ドゥルガーを祀る寺院。観光客でも気軽に訪れることができますが、混雑時はスリに注意が必要です。
寺院を訪れる際の注意点
服装は控えめにし、肌の露出を避ける。
靴を脱いでから入るのが基本。脱ぎ履きしやすい靴やサンダルでの移動が便利です。
セキュリティチェックが厳しい場所では、貴重品の管理に注意。
参拝者が多いため、混雑時はスリに警戒。
路地裏を散歩しよう
バラナシの旧市街は狭い路地が入り組んでおり、歩くだけで異国情緒を楽しめます。シルク工房やお香専門店、小さな寺院など、興味深いスポットが点在しています。
バラナシのグルメ
バラナシのグルメは、ラッシー(ヨーグルトドリンク)、パーニープリー(スパイシーなスナック)、マライヨー(ふわふわのミルクスイーツ)などが有名です。
バラナシのお土産
バラナシは高品質なシルク製品の産地で、美しいサリーやショールが手に入ります。工房見学では、職人の技術を間近で見ることができます。
バラナシで体験すべきこと
早朝のボートクルーズでは、朝焼けのガンジス川とともにバラナシの神秘的な景色を堪能できます。巡礼者が沐浴する様子や、ガートに並ぶ寺院を眺めながら、特別な時間を過ごせます。また、毎晩、ダシャーシュワメード・ガートで行われるガンガー・アールティーは、火を使った壮大な儀式です。観光客も参加でき、神秘的な体験ができます。